嚥下調整食づくりで注意が必要な食材(例)
付着性において注意するもの |
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かたさにおいて注意するもの | 肉の塊、いか、たこ、干もの、ごぼう、セロリ、りんごなど噛む力が必要なもの |
凝集性において注意するもの |
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嚥下調整食づくりで調理時のポイント
- 下処理の段階で、皮を厚くむく。隠し包丁を入れる。下茹でするなどの工夫が必要である。
- 油脂類を加えて口あたりをなめらかにする。
- 素材同士をつなぐ「つなぎ」を活用する。(例:卵、山芋、里芋、牛乳、マヨネーズ等)
調理法別のポイント(嚥下調整食4レベル)
煮物 |
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揚げもの | 天つゆに浸す。食材は下茹でしておき、フリッターや天ぷらなどにする。また、揚げてから蒸す、天つゆに浸すなどの工夫が必要である。 |
炒めもの | 食材は下茹でしておく。調理の最後にあんを絡める。 |
蒸しもの | 調理の最後にあんをかける。 |
和えもの |
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酢の物 | 酸味が強すぎないように調整する。すりおろした食材と和えると食べやすい。 |
嚥下調整食を美味しく料理するポイント(嚥下調整食4レベル)
穀類〔ご飯の場合〕のポイント
ご飯のかたさは、対象者の障害の程度や好みに合わせる。卵かけごはんや雑炊などは汁を十分に吸わせると食べやすい。
ご飯が食べやすいように、のり佃煮、梅干など美味しく食べやすい一品を用意する。
ゼラチン粥は、程よいかたさ、食塊が形成しやすく食べやすい。
材料〔一人分〕 |
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作り方 |
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肉料理のポイント
肉は,良質のたんぱく源であるが,肉料理は噛み切りにくく食べづらいため工夫が必要である。
- 脂身が多いほど嚥下調整食としては,使用しやすい。
- ひき肉は二度引きしたものが使いやすい。
- 下処理時には,筋を切り包丁でたたく。
- 切れ目を細かく入れ一口大に入れる。
- たんぱく分解酵素を含む生姜,パイナップル,キゥーイなどに漬け込む。
- 揚げ物は,揚げた後にたれやつゆに浸してやわらかくする。
魚料理のポイント
魚は,良質のたんぱく源であり動脈硬化を予防する効果があるといわれているDHA,EPAを多く含む。むつ,めばる,ぶり,はまち,したびらめなどは加熱してもあまり固くならないため利用しやすい。
- 焼き魚は,早くから塩をすると固くなるので調理の直前にふる。
- ホイル焼きは,下ゆでした野菜などと一緒に包んで蒸し焼きにするとしっとりと出来る。
- 煮魚は煮汁を多めに作りとろみをつける。
卵料理のポイント
卵は,栄養バランスの良い食品で,スフレオムレツ,スクランブルエッグ,温泉卵,だし巻き卵,具なし茶碗蒸しなどは嚥下調整食に利用しやすい。しかし,固ゆでした卵黄やいり卵は,パサパサしてポロポロしているので食べづらい。卵は,料理のつなぎとして料理自体をやわらかく仕上げるため使用頻度は高い。
大豆・大豆製品のポイント
大豆製品の中でも,絹ごし豆腐,充填豆腐,ひき割り納豆などは利用しやすい食品である。高野豆腐の煮物は,煮汁と高野豆腐が口の中で分かれるため誤嚥しやすいので汁にとろみをつけるなどの工夫が必要。
野菜料理のポイント
野菜は,ビタミン,ミネラル,食物繊維が多いため積極的に使用したい食品である。いも類,かぼちゃ,にんじん,大根,玉ねぎ,なす,白菜,プロッコリーなどは嚥下調整食に向くが,ごぼう,たけのこ,蓮根等はやわらかく茹でて細かく刻んでとろみをつけるかピューレ状にして利用。
果物のポイント
バナナは,フォークなどでつぶしてヨーグルトなどで和える。いちごやキゥーイの小さな種が義歯に挟まりやすいので小さく切りつぶす。酸っぱいかんきつ類は,むせやすい。すいかは,口の中で果汁と果肉が口の中でばらばらになると誤嚥しやすい。ピューレ状にして利用する。
効率的に栄養量が確保できる市販品
嚥下調整食は、通常の食材だけでは栄養量が不足する場合がある。効率的に栄養量が確保できる市販品や冷凍の弁当など多数販売されている。スーパー等での販売でなく通信販売が主流である。
ヘルシーネットワーク | http://www.healthynetwork.co.jp/ |
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クリニコ アクトケア | http://www.clinico.co.jp/ec/ |
明治栄養ケア倶楽部 | http://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/products/purpose.html |
ミールタイム | http://www.mealtime.jp/shop/items/care |
あいーと | http://www.ieat.jp/ |